千年竜王
DWARFⅢの紹介です。「星くず」2024年1月号で自分のDWARFⅡを紹介しました。さらに同サイズのSeestarS30 Pro版(今年末販売?)の購入検討さている方の参考になればと思いました。
【DWARFⅢとは】
スマートフォンで、撮影・画像処理ができる。経緯台ですが、緯度に傾けて北極星に向ければ赤道儀モード(EQモード)で、視野回転無しの撮影ができます。DWARFⅡ&Ⅲともに、スマホアプリのDWARFLabの星図で撮影対象に合わせれば、自動アライメント後自動導入(Goto)してくれます。自動追尾しながら撮影中の画像は、ライブスタックで見ながらできます。アプリの星図はきれいな作画で、名前や番号を覚えていなくても、スマホを向けている方向を見て選択できます。私のマンションのベランダでも、撮影方向のアライメントだけで正確に中央に導入されました。DWARFⅢは、撮影後のStack画像に、AIノイズリダクションしてくれます。
DWARFⅢには、外付けNDフィルタと内蔵の天文フィルタ及びデュアルバンドパスフィルタがありますので、フィルタの追加購入は不要です。カメラ三脚と自由雲台を所有ならば、追加購入が必要なのは、一晩撮影のためのAC電源アダプタもしくはポータブルバッテリーだけでよいでしょう。これら全部を所有しているならば、コストパフォーマンスが良い代物になるでしょう。
スマート望遠鏡は、天気が良いと思ったら直ぐ様Set Upできて、太陽なら黒点、月なら秤動、星雲星団なら横浜市で取得した画像でも画像処理の練習の材料になり、さらに彗星や超新星でも比較星から光度データの分析ができます。継続観測にも使える一石二鳥の代物です。
項目 | DWARFⅢ | DWARFⅡ | SeestarS30 |
光学系 | 4枚玉EDアポクロ | 3枚アポクロ | |
口径 F 焦点距離 | 35mm F4.3 150mm | 24mm F4.2 100mm | 30mm F5 150mm |
センサー | SONY IMX678 | SONY IMX415 | SONY IMX662 |
OS | iOS&Android | iOS&Android | iOS&Android |
接続 | Wi-fi、Bluetooth、NFC | Wi-fi、Bluetooth | Wi-fi、USB-TypeC、 Bluetooth |
最大露出時間 | 経緯台~30s 赤道儀~60s | 経緯台~15s | 10s・20s・30s |
メモリ容量 | 128GB(内蔵のみ) | 512GB MicroSD | 64GB(内蔵のみ) |
フォーマット | RAW、スタック(FITS、TIFF、PNG、JPEG) | FITS、BMP、JPG、PNG、RAW | 同等でしょう。 |
寸法・重量 | 222☓142☓65mm 1.3Kg | 204☓130☓62mm 1.1 Kg | 210☓140☓80mm 1.7Kg |
値段(購入時) | ¥79,999 | デラックス¥76,600 | ¥62,370 |

GWの4月30日~5月1日撮影。5月2~3日は、土砂降りの雷雨で大気中のゴミも取れて月没後は暗い空になり、撮影にうってつけになりました。さらに5月5日撮影しました。
以下はDWARFⅢで撮影しました。
【最後に】
DWARFⅢで、主に夏の星雲星団を、GWを利用して初稼働の撮影でした。DWARFⅡと比較できるように、露出時間、GAINとStack数を合わせましたが、比較画像の掲載は無用に思えたので、Ⅲのみにしました。Ⅱより、かなりCMOS性能がアップしていました。
4月末で、DWARFⅢのアプリとフレームワークが、大幅アップしました。広域撮影でも、比較明合成とモザイク撮影が設定・表示ができるようになりました。比較明合成では、星のグルグル軌跡や流星撮影ができるようになります。モザイクは、天の川でトライしてみます。予約撮影は、横浜市の自宅でも一晩で系外銀河撮影しながら、明るい超新星狙いで使ってみるのに良いかなと思っています。