ISSを追え!

3月は国際宇宙ステーション(ISS)の観測で、観測した光跡がISSなのか?見間違いか?と各自の情報からクラブ内で話題が沸騰。星くず375号から会員投稿記事をご紹介します。

ISSを追え!

先月号もISSの話題で盛り上がりましたが、過去に500mmでISSの形を撮影したこともある私としては、ここはひとつお手本を…と、ひそかに?企んでいました。
まずチャンスが巡ってきたのは2月21日の早朝です。朝5時にISSが見えるということで、30分ほど前に早起きしました。気力があれば望遠撮影にチャレンジするつもりでしたが、眠気に勝てず、固定撮影のみにチェンジです。根性無しです。星見台(手製ウッドデッキ)に三脚とカメラをスタンバイして、超広角レンズで10秒を連写するつもりでした。が、直前になって各種設定を確認してバタバタになりました。その上、いざスタートしてみるとリモコンのロックが甘いらしく、次のシャッターが切れません。慌ててリモコンを握り締めて、なんとか軌跡の撮影に成功しました。考えてみたらこうやって撮影するのは久しぶりです。極軌道の他の人工衛星も写ったりして、なかなか楽しい写真になりました。

  Canon EOS80D SIGMA 10-20mmF4-5.6EXDC(11mm F4.5 10secx7 ISO 800)PaintShopProで比較明合成

しばらく天気も悪く、次にチャンスが巡ってきたのは遠征も兼ねた3月11日の早朝です。今度は遠征先で望遠鏡を展開していることもあって、そのままBORG107FLにて望遠撮影し、ISSの形をとらえてやろうという魂胆です。
今回の接近は朝5時18分。既に薄明がかなり始まっていました。ネットの動画で「赤道儀の極軸を変更して、赤緯体の軸を使って追いかけると追いやすい」と調べてたので、赤道儀に乗せたままクランプフリーで狙います。そのままだと低くて姿勢が苦しいので、普段は縮めてある三脚をかなり伸ばして、楽にファインダーが覗けるようにします。ピントは直前まで撮影していたのでOKはず(実は少し狂ってた)。カメラはJPEG、高速連写、シャッタースピードカメラはJPEG、高速連写、シャッタースピード1/1000!設定ヨシ!時刻は5時19分頃、想定してたのと違って北の空からまばゆい光を放つISSが現れました。クランプフリーOK。バランス完璧。ファインダーでISSを捉えよ!十字線付近に追尾!レリーズリモコンスタンバイ!   狙ええぇぇ…!!   てえっ!!!!  パシャパシャパシャパシャパシャパシャ…!!!
角度を変えながら、ファインダーの十字線付近にISSが来るたびに連写を続行します。誰もいない観測地の道路に、乾いたシャッター音が響き渡りました。
相当連射?し帰って確認すると、何の因果か、256枚撮影していました。
わくわくしながらJpeg画像を拡大します。幸い、ほぼ全てのコマにISSが確認できます。

   Canon KissX9i BORG 107FL+マルチフラットナー(648mm F6.0 1/1000sec ISO1600)、超トリミング

これは… がーん。ほぼ全てのコマで、ブレブレの画像が量産されていました。望遠鏡は架台に乗っていたので、振り回していたとは言えそれほどブレの原因にはならないはずです。考えられるのは、ミラーアップの振動や、シャッター速度不足によるブレです。後者なら、シャッタースピードを上げればOKなのですが、前者だとカメラを変更しないと厳しいかもしれません。もしくは動画の方が正解だったかも。とりあえず、追尾はうまく行きそうなことは確認できました。
もう一度、しっかり撮れるようにチャレンジしてやる!固く心に誓ったのでありました。


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