ちょっと遅めの皆既月食報告

今年の月食は天候に恵まれ多くの場所で観測されました。我がクラブ会員の皆様も会社帰りやご自宅のベランダなど色々な場所で観測されていました。

今年は公私、特に私の関係で9月か11月は忙しく、遠征や撮影もままならない日々が続きました。 しかし、11月8日(火)の今年最大の?天文イベ ント、皆既月食&天王星食は見逃すわけにはいきません。あまリスッキリしなかった天候もこの日は見事に晴れ渡り、これ以上は無い観測日和となりました。ただ、仕事の関係で午後半休を取っていたはずなんですが、帰ってこられたのは17時ぐらい。 一応自宅から観察できることは確認していたので、さっそく望遠鏡とカメラをスタンバイします。

地球の影(っぽい)形が見えるように合成してみた今回の月食   BORG107FL+EOS80D(一部OM−1+70−300mm)

 自宅からだと部分月食の前半は庭から見えず、近所の道路に出て手持ちで望遠レンズで撮影しました。途中からは望遠鏡でも撮影できて、おおよそ5分おきにほぼ全てのカットを手に入れることができました。これほど最初から最後までじっくり見ることができた月はあまり経験がありません(たいていどこかで雲が出てくる)。今回も地球の影を中心にそれらしく並べた合成写真を作ってみましたが、地球の影がなーんとなく見えてくる形になってくれました。月は地球の影の右上を通過しています。皆既中の月は暗めだったとの話もありますが、自分としてはしっかりと赤くきれいに見えていました。そう思うのは1982年12月30日の非常に暗い月食を体験していたからかもしれません(この時は油断すると月を見失うぐらいの暗さ)。

天王星の動きを5分おきに並べてみた(月は皆既のものを合成)

 天王星食もなんとか撮影出来て、5分おきの星の動き(というか本当は月が動いている)と皆既の月を重ねて見ると天王星が月の裏に隠れている様子と、付近には意外と多くの星があったことがわかります。

 印象的だったのが、8cmF8のマクストフカセグレンで眼視した時の月でしょうか。写真だと明るい部分と月食している影の部分は同時には写らないのですが、眼視であれば明るい部分の模様と月食の赤い部分、そして天王星までが同時にしっかリと見えて透明感のある空にぽっかりと浮かんでいます。とても印象的な風景でした。 今回は段取リができるかどうかも分かりませんでしたので、一人だけでの観測&撮影でしたが、それでも住宅街のまんなかにいるからでしょうか。時折「あー、もうこんなに欠けている」「赤い月が見えるよ一」といった声が近所から聞こえてきました。月食が終わる2 2時頃には、元の静かな住宅街に戻っていきました。月食を満喫できた一晩でした。

翌日からはまた大忙しの数日でしたが・・・


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