観望報告

天文マニアの使命はやはり天体観測です、遠征もままならない会員の方は地元での観測を頑張っているようです・・・

都会の光害に負けず、月明かりにも負けず…

toccicat

ナローバンドパスフィルターがあれば都会の満月の夜でも星雲撮影できるという話を聞くので試してみたくなりました。
最近流行りのナローバンドパスフィルターというとHαとOⅢのみを通すデュアルバンドパスフィルターでしょうか。今発売されているデュアルバンドパスフィルターには、望遠鏡が買えるくらい高価なものもありますが、フィルターごときにウン万円も出費する余裕はありません。と思っていたところ、ネット上でSVBONYのSV220が1 万円台半ばでコスパが良いという記事を見たので、SVBONY のSV220 を購入してみました。
10 月27 日、満月ではないけれど満月近い月が皓々と光る夜、横浜市青葉区で実験開始。
撮影対象は、Hαを発していそうなIC1848 胎児星雲を選びました。
ネット上でこのフィルターを使っている方はいつもGain120 で撮ってらっしゃるので真似して
Gain120、露出時間も短めに120 秒で撮影しました。さて… 出てきた画像は真っ黒でなにも写っていません。しかし、ここは我慢。きっと画像処理で星雲が浮かび上がることを信じて30 枚1 時間撮り続けました。
自宅に戻り、真っ黒で何も写ってないような画像をスタックして強調処理、なんとなく星雲らしきものが見えてきました。しかし、こんな露出不足の画像は強調するとノイズも一緒に浮かび上がり、まともな画像になりません。この1 枚を毎日毎日試行錯誤してやっとこんなものができました。

           EVOSTAR72EDII x0.85 (f=357mm)/SV405CC Gain120 120sec 30 枚/
          SV220 フィルター/ステライメージ9 /StarNet2 GIMP/RawTherapee

画像処理には大変苦労しましたが、都会の満月の夜でも星雲撮影が不可能ではないということでしょうか。そうだとすると… 撮影対象は限られるので万能とは言えませんが、新月近くに暗い空を求めて遠征すると言ったことも少なくなるかなと思いました。
今回は人の真似して Gain120、露出時間短めで撮影しましたが、無理せずGain を上げて露出時間をもっと長く撮ったほうが画像処理は楽にできたかもしれません。次回は Gain と露出時間増し増しで試してみようと思います。

C1848 胎児星雲… ”くまのぬいぐるみ” にしか見えないけどなぁ・・


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